廃棄都市・2
「全く、感心しねえな」
「何がですか」
いつも通り、他の客はいない。
「街をひとつ潰しておいて、化け物をそこに集荷させてるのさ」
僕は無言で、ただ珈琲をすするだけだ。
「王国が、という事ですか」
「他に誰がいるよ?全くひでえもんだよ」
店主は笑う。口だけで。声だけで。
この男は何者なんだ?
この潰れた街で、ただ独りで店を営み、
周囲に蔓延るモンスター達を気にかける風でもなく、
淡々と暮らしている――ように、見える。
商業都市ならばサルメリスがある。
それなのに、何故、敢えて「此処」なのか。
潰れた、潰された、この街で。
「どうしてこんなとこに居ついてんだって感じか」
彼は口角を上げ笑みを作る。
僕は一瞬固まり、そして、彼の目を見た。
蒼い瞳。白髪の混ざった黒髪。
この特色は、まさか―――あの種族なのか?
唐突にあらゆる物事が思い出される。
まさか
まさか
まさか
店主は僕の困惑をそっくり汲み取ったかのように、再び笑んだ。
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