廃棄都市・4

店主は僕の腕のラインに目を向ける。

「のし上がってきたのか」



僕は答えなかった。
彼の顔を見ると、
「家族」を思い出す――今は僕のMFATに、その写真が残るだけの。
まだ15歳だった娘さえも、僕と同じ階級だったのだ。
だが、今はそんな話はどうでもいい。


「遷都は、お前さんが生まれるずっと前に起こったんだ」
「どうして、僕の歳なんか」
「分かるんだよ、俺には」
「……まあ、そうですけど」
また俯いてしまった。
「老いぼれが、わざわざ傭兵なんかやってられるか、なあ」
店主は、少し笑った。今度は、眼差しを和らげながら。


「リーアよりも栄えていたんじゃないか、当時にしては」
現在の首都はリーアにある。
そして僕は、ただ報酬を得るだけの兵士に過ぎない。
「だが、物事ってのは、なかなか上手くはいかないもんでね」
僕の物思いを気にも留めず、彼は話を続けた。
「ここの首都機能に、目を付けた奴がいるんだ」
「……どういう事ですか、それは」
「ここは元々、首都であると同時に、国の一番大事なお宝があったのさ」


僕は、話の続きを聞こうとした。



next story...