廃棄都市・6
「聞かせて下さい」
「信じられるかね」
「聞いてみないと、分からないじゃないですか。そんな」
僕の答えに、店主は漸く、にんまりと笑った。
「但し、事実とは考えるな」
遷都以前。――丁度、50年程前。
今では廃棄都市と呼ばれるこの場所に、
栄えた都が存在した。
産業は発達し、人々は皆豊かに暮らしていた。
地下に住む、一部の人間を除いて。
「彼らは研究者だった」
店主は抑揚のない声で呟く。
日々、研究職の筈だが重い防具を身に付け、
それとは真逆の世界を追求していた。
国が認めた、極秘の大戦争。
全てを破壊し、もう一度新たな世界を創造する為に。
そしてそれは、やがて実現する。
地上にはモンスターがはびこり、人々は混乱に陥った。
「王国」は遷都を決定し、軍を結成。
モンスターの討伐を命じた。
兵士達は戦い、やがて都市は荒野へ変化した。
「―――どうして」
僕はただ、そう呟く事しか出来なかった。
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