廃棄都市・8
男には、類い希なる才能と力があった。
また、運が良いのか悪いのか、
莫大な財産も権力も持ち合わせていた。
そんな彼が、国王を秘密裏に陥れる事、
それ自体にはさほどの時間を要しなかった。
即座に集められた研究員達。
彼らは首都の地下で暮らし、
その任務故に生身を厳重に保護した上で、
禁断の存在を造り求めた。
そして、悪夢の日が訪れる。
破壊される街、悲鳴を上げる人々、
脆くも崩れ落ちる王立騎士団。
だが、その時は既にもう、首都機能自体は移転が完了していた。
「王国が、国を捨てたんですか」
「捨てたんじゃないな」
薄暗い店内に、紫煙が上る。
「王国としてのプライドを捨てた、の方が、正しいんじゃねえかな」
僕はその意味を図り兼ねていた。
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