廃棄都市・9
「この土地は」
店主は煙を吐きながら言う。
「いい土地だよ」
「……そう、ですか」
「ああ」
廃棄都市――名前の通り、棄てられた街。
人々の生活の鼓動はなく、
ただ這いずり回るモンスターと、
それを殲滅せんと来る兵士達。
「まあ、常連さんよ。もう少し時間があるなら、外に出ないか」
僕は言われるがまま、店の裏に回った。
星の光に照らされていたのは、
僅かばかりの畑になった土地。
食料となるものもあれば、薬品原料になる植物もある。
「ここで、暮らされてるんですね」
店主は無言で、足下に視線を落とす。
「この場所が」
靴で蹴り飛ばした土の下に、錆びた鉄板が見える。
「地下研究所への出入口だった」
「……え?」
「触ってみるか」
答える間もなく手を引っ張られ、そこへ近付けられる。
「―――ッ……」
この力は。
微力ではあるけれども、
リーアでしか存在しない筈のシールドの力。
「封印だ」
「……研究所の、ですか」
「墓場でもあるな」
店主は何処か、遠くに視線を投げる。
「俺の、大事な大事な部下達の、処刑場だ」
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